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2006年8月28日 (月)

ふくりゅうすい

金森さんと、金森学級の一年を追ったドキュメンタリー番組をつくったNKHの嘉悦さんと、作家の重松さん、それぞれのトークと3人ジョイントのお話を聞きにいってきました。

伏流水、と言う言葉は、一番バッターの嘉悦さんのお話のなかから。地上を流れる水が、ある場所では地下に入り込んで流れる、それが時には、湧き水となって地上にわいてくることもある。教育ってきっとそういうこと。時間がかかる、結果はすぐには出やしないよね。

金森学級の4年生が、いかだをめぐって大人の理不尽にたちむかう場面がある。必死に必死に、何か言わなくちゃ、立ち向かわなくちゃ、と想いもまとまらぬまま、こわさもいっぱいかかえたまま、言葉を探すその真剣な表情が、言葉以上にきもちを伝えてた。

放映されたその場面とは別に、テレビではオンエアされなかった、その男の子への5分間インタビューが、会場で流されました。

金森先生は、おっかない先生だし、こんちくしょーって憎らしい時も、きらいな時もいっぱいある。けど、けど、ほかの先生とちがうとこがたしかにあるんだ。自分の話を最後まで聴いてくれる。どんなカーブの変化球をなげても、途中でわかったふりして受けとる用意をしない、最後までその球を見ていて、受けとめようとする。ほかの先生だったら、途中までしか聞かないで何かもういいだすけど、それをしない。最後まで聴くこと、人を(自分のことを)信じてくれてること、そこが違うんだーーー。

その男の子が話してる途中から、そうや、うん、そうだ、これが言いたかったんだ、と表情が変わってきて、確信もって言葉をつむぎだすあたり、ほんとに、人は自分のいいたいことをいえたとき、言いながら自分の胸にすとんと落ちる言葉を探し当てられた時、こんなにも自信に満ちた、うれしそうな顔になるんだよなあ、って思った。途中でさえぎられると、バッテリーエラー起こしちゃうとか、言葉ときもちのキャッチャーとか、この子の言葉の辞書と感性がまたとっても個性的で。

嘉悦さんもいってたけど、この5分インタビューから、ほんとにすごい貴重なもの、もらった気がする。普遍を言ってるよね、この子。それを言葉にできたのも、きっとひとつの伏流水の湧き水なんだ。

嘉悦さんは、もう何年も前に京都紅茶を訪ねて、そこから紅茶のことを知って、津幡のふつう紅茶にも一度いらしたことのあるかた。ひょうひょうと軽く動いて、でもこの方自身の感性もいいなあ、学級に一年間通ったことで、いっぱい感じて成長したとこもあるんだなあ、って思った。僕自身の育ちを考えた、って言ってらしたものね。

金森さんが梅雨の時期に校庭でくりひろげる泥んこサッカー、それを見て、おもしろそう!とやってみても、ああはいかない。それは、4月5月にその子たちとクラスで何をしてきたかが問われてるんだ、と金森さん。これをするんだ!という必然と信念、そこへ行くまでのていねいな過程があるかないか。

この話もまた、ひとつの普遍、と思いました。自分が何かするとき、動く時、若いころは、必然なんて考える余裕もなく、ただ動いていた、直感だけで。それがもちろんよかった場合もたくさんある。でも、いつごろからだろう、その”必然”を日々の積み重ねの中からふっと見出して、次の一歩を踏み出しすときの「お守り」や「確信」にしてる自分がいるのに、なんとなく気づくようになった。それを見つけられたとき、動いてる自分に安心できる。

子どもと一緒に、子どもが自分で自分をとらえることができるようになる手伝いをすることが、教育の目的のはず。でも今は、教育のとらえ方が違ってきてる。学力向上がその目的にされようとしてる。子どもへの評価のまなざしもきつくなってる。子どものキャッチャーに学校がなりにくい状況がどんどん進んでる今だからこそ、親たちがそのバックネットになること、先生とつながることが必要なんだ、と、教育基本法が変えられようとしてる危機感もこめて、金森さん。子どものために、一歩踏み出してほしい、それができないならせめてその位置でふみとどまって、とも。

*****

野々市から大急ぎで、講演会にきていた広島のTさんといっしょに紅茶にもどってきて、玄米をたく。行くよ、と言ってたひとがこれなくなったらしく、この日のナイト紅茶は私たち夫婦とTさんだけかも、でもあわただしかった今週なので、はじめてゆっくりTさんと語れるかな、と。ご飯も食べ終わったころ、医科大のA&Tコンビのお二人。遅めにきてもこの夜はめずらしく食べるものが豊富にあって、ほっ。出前の打ち合わせなどもあり、Tさんとの語りは時間切れのまま尻切れトンボになって、それが心残りでした。

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