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2007年11月 8日 (木)

お気に入りの場所で

この10日あまりほとんど毎朝、しゃーしゃーという、何か大きな本のページでもめくるような音ではっと目が覚めてた。後ろ足の力のなくなった翔が足をひきずって歩いてる足音。抱っこして庭におろすまで、たいていおしっこもがまんしてた。

昨日からはそれがもう聞こえない。でも今朝はまだ、ピンクのガウンかけてそこに眠ってるような翔がいた。

昨日も今日も、晴れてあったかい日でよかった。夫が、約一時間かけて、桜と白樺の木のあいだにお墓を掘る。フェンスの近くのこの場所が翔のお気に入りで、若いころはよくここに寝そべりながら、車をとめて紅茶にやってくるひとと同じ高さの目線で、ようこそ、をしていた場所だ。

ピンクのガウンにくるまれた翔を、土の上にそっと。その身の、あまりの軽さよ。よくこの軽さで立っていたねえ、歩こうとしてたねえ。

埋葬に立ち会うのは、私たち夫婦と、夕べ遅くに駆けつけた娘と、翔を家族みたいに想ってくれてたTさん。お庭からシュウメイ菊を根っこごと何株かもってきてくれたのを、お墓の上に植える。来年、翔のいのちの日のころに、きっとここで花が咲くからね、という。

こんもり土をもったお墓に、夫が栴檀の黄色い落ち葉をしき重ね、その上におおきな貝を乗せた。スペインの巡礼地までの道しるべに、これとおなじような二枚貝が道々に埋めこまれているのだそうだ。

4人で手を合わせてお祈りした。翔はこれから先はもうどこへでも走って行けるんだなあ、と思う。いろんな場面場面で翔を想い出すたびに、そこに居てくれるんだなあ、と思う。

                  

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