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2007年11月 6日 (火)

翔のちから

うっとりと音楽に耳を澄ます。

縁側で、きもちよさそうに風に吹かれながら哲学する。

紅茶にくるひとたちを横目で眺めながら、静かにみんなの話を聴く。

黙ってそこに居るだけで、その場の空気をおだやかにやさしくする。

翔ほどたくさんのひとに出逢ってる犬も少ないだろうなあ。愛されてる犬も少ないだろうなあ。翔の持ってる不思議なちからにどれだけ私たち家族も、紅茶も、助けられてきただろう。

よくぞ、15年前に珠洲のキャンプ場にいたね、そしてうちの子になってくれたね。運命だったんだね、きっと。

            *****

先週から、翔の吐き気を抑えるために点滴をしている。早く落とすと余計吐いてしまうので、私が抱っこしながら、ゆっくりゆっくり時間をかける。

5月ころから貧血もしてる翔の、手足の先っぽの体温は低いけど、抱っこしながら心臓に手をまわすと、そのあったかさに涙がでそうになる。

翔の顔に頬を近づけると、まるで香ばしい麦のような、干草のようないい匂いがする。もちろんそれは犬そのものの匂いなのだけど、ずっと食事してない翔のからだは、きっともう透きとおるように清らかなのだ。

吐くことの少なくなった翔は、横になりながら前よりいっそうつぶらなひとみで家族を見つめる。今のところ苦しそうでないのが救われる。

娘も翔に逢いにきて、たくさんのありがとうと愛を伝えていった。

以来、毎日、翔の様子をメールで知らせている。昨日から鼻水がよくでるんだよ、そのたんび、ちっちゃい子に、ちん!するみたいにふいてるよ、と伝えると、娘からメールが届く。

「翔は鼻水グズグズなのかぁ。
でも、おしっこが出たと言ってよろこび、
水を飲んだと言ってよろこび・・・・
小さく細く、でも確かに灯っている灯りの、
かすかな風よけとして、私達家族の存在が在れたら、と思います。
もしも、翔が今まで辛く寂しい犬生を送ってきたのだとしたら、
翔はこんなにも一生懸命、生き永らえなかっただろう、と思うから。
わたしもここから、翔に想いを飛ばしているけど、
ふたりの温もりに、わたしの分も乗せてくださいな。」

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