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2007年12月23日 (日)

ある授業

かなもりとしろうさんの授業は、まず、「右という漢字はどう書く?」から始まりった。口でごはんを食べる手、から来た「右」という字。

では、「左」という字は?右、のロの字が食べる口なら、左という字のエの字は何だ。エというかたちは、何に似ているだろう。のこぎりを持つ手が右手なら、ノミを持つ手はどっちだ。「左」という字はノミを持っている手、という左手から来てるんだ。

右手と左手が組み合わさったのが、「友」。重いものを持ち上げている、という字が「力」。友だち同士の力を束ねるのが、協力の「協」。「老」は、力をいっぱい持っていること、持っているひとが「老」人。じゃあ、その力とは何だ。お年寄りがいっぱい持っているものって何だと思う?

老いたひとが持っているもの、知恵、経験、想い出、人生、年輪、歴史、ともだち、家族、ゆとりある心。そうだね、昔はじじばばが子育てを支えてくれてたんだ。昔話に、そういえば、父母は、でてこないなあ。

                 *****

先週の日曜日。河合谷小学校の小学生13人と、親たちと、ほかのおとなたち、参加した全員がこの時間だけは金森学級の生徒になった。

つぎつぎ投げかけられる問いかけの「?」ボールに、子どもも大人も考える、考えるのがだんだん楽しくなってくる、ボールを返すたび、体じゅうで応えてくれるかなもり先生の反応もうれしくて、想像力の翼もどんどんと広がってゆく。

この日、かなもりさんが読んでくれた絵本は、いぬいとみこさんの「ちいさなちいさな駅長さんの話」。

ーーーー日本海のほとりのちいさなちいさな駅に、ちいさなちいさなきかんしゃがとまりました。「ねえ、おべんとううってないの」と、男の子にいわれて、ちいさなちいさな駅長さんは大よわり。

何度も何度もくりかえされる「ちいさなちいさな」のリフレイン。この、ちいさなちいさな、から、みなさんは何をイメージしますか、の問いかけに、真っ先に「未来」とこたえたのは河合谷の小学生だった。

おとなたちや他の子たちも、首をかしげかしげ、続ける。

・とっても大切な・他にはない・かけがえのない・貴重・なくてはならない・一つしかない・願いがはいっている・ひとに知られていない・過疎・電車の本数が少ない・守りたい・守ってる・唯一・世界に一つだけの花・さびしい・たったひとつ・なかったら困る・そこにいるだけでいいんだよ

ちいさな絵本から、なんと豊かなイメージがふくらみ、未来へとつながっていったことだろう。言葉に出さずとも、想いは、河合谷小学校の存在の貴重さに重なった。

    ****

授業を終えたかなもりさんは、河合谷小の子どもたちのすばらしさを何度も口にしていた。そのわけの一つは、関係性にあるだろう、と。人と人。ひとと自然、声かけしあうちいさな共同体。

切磋琢磨、という言葉に、本来、「競争」という意味あいはない。この言葉の本当の意味は、励ましあい、支えあう、ということだそうだ。かなもりさんをうならせたのは、本当に切磋琢磨している、河合谷の子どもたちだった。

ちいさいから劣っている、という考えは、文化を抹殺すること。もし今、このちいさなちいさな小学校を残そうとする政治判断があったなら、それはのちのちまでも高く評価されることだろう。津幡町のすばらしさがもっとひとに伝わってゆくだろう。

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コメント

むすこと一緒に参加できて、すごく良かったです。
たくさんの大切なことを受け取る事ができました。
河合谷のみなさんにお会いできたこともうれしくて。
最後の会長さんの言葉がとても心に残ってます。

大事なものがどんどん奪われていく中で
金森先生の言葉は、一筋の光のように感じました。


センターの受付で買ってきた小豆で、
ぜんざいを作ろうと思ってます。

投稿: mizuho | 2007年12月27日 (木) 00時00分

mizuhoさん 
親子で金森さんの授業受けれてよかったねえ!
失ってはならないもの、をどう子どもたちに手渡せるか、大人たちへの宿題のように感じました。

わたしもお豆をかいましたよ。白小豆というのは、河井谷の収穫祭ではじめてそのぜんざいをたべて、知りました。お正月の黒前を食べ終わったら、白小豆を煮ようと思っています。
ことしもまたどうぞよろしくね。

投稿: sue | 2008年1月 1日 (火) 14時03分

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