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2008年1月 4日 (金)

くるみ割り

年の暮れ、その日の紅茶にきていたひとたちと、くるみ割りをした。おせちの食材に買っておいたのを、そうだ、一人で割るのたいへんだし、と台所から出してきたのだ。

ぎんなん割りのくぼんだところに、くるみの殻(と言ってるけど実は種)の背骨みたいなところをあてて、軽くちからをいれる。ぱち、といい音がして、指をあてれば、ぱか、と二つに割れる。ほんの少しでも、ちからが強すぎると、グシャ、哀しい音がして、殻ごとつぶれてしまう。

ぱち、ぱか、グシャ、ぱちん。

私にもやらせて。わあ、割れた割れた。次どう、あなたもやってみる?あ、うまいうまい!きれいにまるごととれたねえ。

3歳の女の子も、むずむず割ってみたくてたまらなくなる。上から手を添え、その子の手をはさまぬよう手加減して、よいしょ!あっ、割れた割れた。

ぎんなん割りを順にまわして、一つ割れるごと、その場全員のきもちがくるみに集中する。ぱち、ぱか、の音の後に、まったく無傷の、うつくしい脳みたいなくるみの「仁」があらわれたときは、おもわず拍手。

無傷の殻もまた、うつくしい芸術品だ。誰かが、貝あわせみたいに殻あわせができるかも、といって、何人かはそれをその日のお土産にした。

ふつう紅茶でときどきとつぜん出現する、意図せぬワークショップ・タイムが大好きだ。この日のくるみ割りは、まさしくそんな時間になった。元気のないままこの日の紅茶に来て、くるみ割りをこころから楽しんでくれたひともいた。共同作業としてのワークショップの、ささやかだけど、これもまた、ふとしたちから。

                *****

割ったくるみはそのままでも香ばしくて十分おいしい。でもせっかくおせちと宣言してみんなで割ったのだから、やっぱり佃煮にした。からいりしてから、さとうと酒とみりんと米飴とほんの少しのだしつゆで、あっというまにそれはそれはおいしいくるみ煮になった。くるみ割りワークショップのおいしいおつりです(というか、ほんとはこっちが本命なのだろうけど、きもちとしては、くるみ煮のほうがおつりに思えて)。

                 ******

おつりはもう一つあった。年あけの紅茶にきた女の子が、クリスマスに彼女のおうちに来た仔犬の話をして、その子の名前が、「くるみ」だという。家族で名前を考えてるとき、近くにあの日の紅茶土産のくるみの殻があって、なんとはなしに、くるみ、になったのだそうだ。もっとも、くるみは本名で、呼び名はくーちゃん。それでもなんか、ちょっとうれしい、あの日のおつり。

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