川口の「おんがくとおはなしのちいさいおうち」は、去年で十年を迎えた。その「ちいさいおうち」をつくってくれた落合さんの娘さんも、天の国、と落合さんが呼ぶところに住んで、この5月で10年になるという。娘さんの犬だったジェスちゃんも、今はその天の国でご主人と一緒。
落合さんの言葉をかりると、「ちいさいおうち」は、子どももおとなも、そしてすべての生き物や自然の”いのち”が輝くことを願って、ちいさな出会いの場をはぐくんでいるところ。
ほんとにその言葉通り、「おはなしくらぶ」、「賢治の時間」、「おんがくとおはなしのへや」、どの活動にも、落合さんの、いのちに対する祈りや願いがこめられている。また、このちいさいおうちでひらかれるどんなちいさなつどいにも、いつも娘さんが参加して見守ってくれている気がしている。
今年からは、私の出前以外のときにも、このちいさいおうちをふた月にいちどくらい、「紅茶の時間」のオープンハウスとして開き、ほっとしたいとき、誰かとお話したいとき、気軽にきていただける場にしていきたい、と落合さんから聞いた時、本当に心の底からうれしかった。
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なので今回の出前は、ちいさいおうち紅茶のあらたなはじまり、お祝いの出前。私の話を聴いていただいたあと、集まった20人のかたたちとワークショップ。
まずはじめに、落合さんへ、私からのラブレター。
おだやかに・ちいさいひとへもおおきいひとへも・あいをもって・いのりをもっていのちを・みつめている・ちいさいおうちの住人にふさわしく・こどものこころをずっと忘れないひと
頭文字をつなぐとそのひとの名前になる、このラブレターの作り方をおしえてくれたのは、クッキングハウスの松浦さん。同じように、「ちいさいおうち」のラブレターも、みんなで言葉を出しあってつくってみた。
出逢いの場面では、庭や道でみつけた今咲いている花の名前、
そして、それぞれの「ちいさいおうち歴」を。
絵本やおはなしでかかわっているひとのおうち歴は古く、いのみら通信や津幡の紅茶つながりで来てくださったかたは、今日がはじめて。ちなみに私は、おうち歴6年、今回が5回目だそう。もうそんなになるんだったか、、、。
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この日はたまたま私の母の誕生日でもあり、この場の根っこにいつもいのちへの想いがあることを知っているので、参加したみなさんに紙をくばって、それぞれの「いのちの日のリスト」をかきだしてもらった。
自分の、家族の、大切なひとの、生まれた日。いのちの日、と漢字で書く命日も、やっぱり大切な日。結婚記念日も、家族にとっての記念日も、というように、思い出すかぎりの、だいじな日にちを書いてゆく。
その中から、今日はひとつだけ選んで、二人一組になって、その「いのちの日」のものがたりをお相手のひとに聴いてもらう。
ちいさいおうち紅茶の最後は、紅茶とも、ちいさいおうちとも深いつながりのある、細川律子さんの書かれた「風と光の散歩道~宮澤賢治の植物を訪ねて~」から、「すずらん」を、私の朗読で。
落合さん、摂ちゃん、ジェス、そして細川さん、しあわせな優しい時間を、ありがとう。5回目の出前紅茶@ちいさいおうち、私にとっても、とくべつな時間になりました。