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2008年9月15日 (月)

ちくちく

去年の冬ころから、
針と糸がいつも私のそばにある。
       *
きっかけは、湯たんぽカバーをフリース生地で縫うことからだった。
やがて、ちくちく自体が楽しくなってきて、
紅茶ポット帽子や握手するなべつかみ、
それもrescued clothでつくるのがいっそう楽しく、
いつのまに品数がたまって、
ついには、「紅茶の時間」のタグまでつくってもらい、
今年の紅茶shoppeに、紅茶手ぬいや、でデビューしたのだった。
              *
以前から、古い服に手をいれることはよくしてたけど、
今年はとりわけ、それにはまっている。
              *
Photo大好きなお店アチャさんで、10年近く前に買ったジャケット。
薄い蝉の羽のような布にすごく惹かれて求めたのだけど、
いざ着て外に出ると、でっかくて四角い感じがして、
みごとなほど私に似合わない!
この夏も、出しては見たものの一度も着ずじまい。
               *
ならばいっそ、と左右に離れていた布を縫いあわせてみた。
するとどうだ。布のマジック。
Photo_2 たっぷりあまっていた布
(まさにそこが気にいらなかったのだ)も、
からだが中にはいることで、
それはやわらかく美しいドレープになった。
             *
りふぉーむ、りめいく、りさいくる、と呼ぶより、
reborn。この夏最大のヒット。
それも30分とかからずに。
               *
何かこころがざわざわするとき、ちくちくしてると、きもちがおちつく。
マーガリンの妹のバターが死んだとき、家に二日間誰もいなくて、
その間、ただひたすら縫い続けてた。
不安なときも、知らず知らず、手をうごかしていたことを思いだす。
いや、はるか昔、
10代の少女のころにも、部屋でそうして過ごす時間が長かったなあ、
もうすっかり忘れていたことだけど。
               *
ざわざわのときに限らず、ちくちくは、実にいろんなものをくれる。
fun、joy、わくわく、どきどき、
発見、冒険、とつぜん思いつく名案、珍案、
時には、思索と哲学の時間をくれる。
            *
昔はミシンがないから、
必要に迫られてごくあたりまえに、ひとはちくちくしてて、
でもそういう時間が、長い目で見ると、
気のふさぎやまいやら、いらいらやら、怒りやら、混乱やら、を鎮めるのに、
しぜんに、じんわりと、効いていたのではなかったかと思う。
             *
手当て、という言葉が昔からあるように、
ていねいに手で何かを生み出す作業にも、
手当てとよく似たちからがあるように思う。
他動詞の、癒される、でなく、
自動詞の、癒える、の方のね。
              *
手縫いのちくちくは、
自らの癒えるちからをひきだしてくれる作業。
そして、そういう手から生み出されたものにもまた、
そのちからが、ほんの少しは込められているのかもしれない。
手縫いの服を見にまとうときの安心感。
なんか、守られてる、って気がするんだよなあ。

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