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2011年4月 9日 (土)

それでいいんだ

mai works のmai です。
4月7日は、印刷会社さんとの打ち合わせを兼ねて、石川に帰省。
ちょうど田中優さんの講演会を、家族と一緒に聞けました。

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放射能に汚染された土壌に、菜種を植えることで、
土を生き返らせてゆくアイディアを話した後、

「学術的に証明されてないという人もいる。
 だけど僕は、これ以上自殺する農家の人を見たくない。
 こんな方法があるのだと、絶望じゃなく希望を伝えていきたい。
 僕は批評家じゃなく、活動家だからだ」

と言っていたのを聞いて、なんだかすとん、と胸におちた。
そうか、優さんの役割は「希望を届ける」なんだ。
それをどう消化してゆくかは、
私やそれぞれの人にゆだねられている。

4月8日の講演会を見た方がまとめたつぶやき
お話のポイントが箇条書き形式でまとめられているので、
ざっと読むにはちょうどいいかも。
(どうやら実況中継なので、その点ご考慮の上で)

環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さんの
「3.11後のエネルギー戦略ペーパー」もあわせて読むと、
より説得力があるなぁ。

みんなそれぞれの場所から、自分の役割をまっとうしようとしている。

孫さんは、自分の影響力を知ったうえで、
原発に反対という態度を表明している。

「損する得するじゃなくて、言うべきことを言う人がいないと」

経済界の大物、という立場の人が、
こんなにもはっきりと意見を表明してくれたことは、
かなり貴重なことだ。

孫正義さん×田原総一郎さん 対談 

(元技術者の後藤さんと田中さんとの話が、特によかった)

斉藤和義さんは、
多くのミュージシャンが一様に押し黙る中、
ミュージシャンとしてできることを、した。
テレビに出れて、CDを出せてなんぼの音楽業界の中で
こんなにストレートに言ってしまうことのリスクは、100も承知のうえで。

『空に星が綺麗』Ustream Live
「ずっと好きだった~ずっとウソだった」

「原発はいやだ」っていう率直なきもちを伝えるため、
それをおおきなかたちにして示そうとしている人もいる。

高円寺・原発やめろデモ!!!!!!

4月10日 14:00 @高円寺
呼びかけ:素人の乱
当日は日本でも世界でも同時多発デモ!
さらに選挙まで。みんな選挙行こう。

呼びかけ人の松本哉さんのおもしろいなぁと思うところは、
まっこうからの力技!じゃなくって、
シニカルな目線で、権力側を笑い飛ばすような姿勢。

彼の言葉を読んでると、
いわゆる“大衆”(=私たち)は、難しいことこねくりまわさんと、
思ったこと言えばいいし、すればいいのかもしんないなぁと、
なんだかガツン、とやられた気分。
こねくりまわしてる私としましては、はい。

(教科書で読んだ、百姓一揆とかええじゃないかとか、頭をよぎるなぁ)

自称B級アイドルの藤波心さんは、
中学生という立場だからこそ、大人にとってずしん、とくる言葉を書いてくれる。
若い命の言葉は、おもたい。

「3万年後の未来生物父娘」

その一方で、やっぱり原発を全部とめるのは無理なんじゃない?
という人だっている。
そういう意見は、具体的な未来を考える中で、避けて通れないことだ。

反論があるからこそ、本質的な議論ができるし、
みんながいっせいに同じ方向、右向け右、をしてたら、
その真裏にあるものは、絶対見えない。
そこぁらこぼれ落ちしてしまうものが、でてきてしまう。
いろんな立ち位置から、いろんな角度から、
というところに、それぞれの意味がある。

きっとみなそれぞれに、どこかいびつだ。
完璧なものなんて、きっとない。
だけど、そのいびつさを持ち寄ったとき、
こっちのでっぱりと、あっちのひっこみが、ぴたっとあって、
これまでとは違うかたちが、生まれるのかもしれない。

私はどうだろう。
私は弱虫だし、ちっぽけだし、優柔不断だし、
なにもすごいことができない。
善とか悪とか、正しいとか正しくないとか、白とか黒とか、
私にはオーバースペックすぎて、はっきり主張できないでいる。

だけど、
はしっことはしっこの間に埋没する
ため息やつぶやきや迷いや疑問から、
なにかすくいとれるものだってあるんじゃないかと思って、
こうして文章を書いている。

白とか黒の色付けをすることをためらってしまう人に、
全速力で走れなくって、置いてきぼりを感じている人に、
自分がどこに立っているのかもよくわからないままでいる人に、
私も同じだよ。
だから一緒に考えてみようって云いたくて、こうして文章を書いている。

だけど私の友達は、
私の書くものを読んでも、自分は原発のこと何も知らないから、
意見なんて言えない、って言っていた。

じゃあ、原発のこと知ったらいいじゃん、って言ったら
関心がもてない、知りたいと思えないからしかたないって返ってきた。
正直、ショックだった。
無力だと思った。

だけどそのあと彼女はこう言った。

「100人にひとりでも伝わればいい、っていう気持ちで書けばいいじゃん」

ほんとだ。その通りだ。
私はこころのどこかで、関心をもたない彼女に対して、
「なんでわかってくれないんだ!?」って責めてたね。

だけど、そんなふうにして、無理やり彼女の領域に
押し入ろうとしたって、だめだ。
どう感じるかは、彼女自身にしか決められない。
私が力技で押し付けられることじゃない。

私にできるのは、私が感じたあれやこれやを、ただ伝え続けることだけだ。
その道の中で、1/100でも1/1000でも、
誰かが立ち止まって耳を傾けてくれたら、それでいいんだ。

それでいいんだ。

mai

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