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2011年4月 2日 (土)

田中優さんのお話、訂正です

最近ちょくちょく登場している、mai works のmai です。
25日にご紹介した、田中優さんの動画とWEB内で、
一部事実と異なる表現があったので、そちらの訂正と、感じたことを。

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3月17日、田中優さんの講演会で、
スパイラルマグナスという風力発電システムが、
「風速50mでも発電した」というお話を聞いた。
そして、
「犬吠崎の沖合に風車を建てたとしたら、
 東京電力の年間電力販売量とほぼ同じ電力を作れる」
というお話も聞いた。

でも正しくは、
「風速50m/sの風に風車本体が耐えた」
(風車は回転させておらず、本体が強風に耐えた)であり、
「関東地方沿岸50km以内に風車を建てたとしたら(以下略)」なのだそうだ。

* 25日にご紹介済みの動画や、エコレゾウェブでもあった発言です。
   ご参照くださったみなさま、申し訳ありませんでした。

田中優さんのお話からはたくさんの希望を感じていただけに、
正直、うーん、残念、って思ってしまった。
(ネット上でも、どうやら間違いが指摘されてるみたい)

でも、だからと言って、
優さんの言っていることがすべて間違いだって断じてしまうのは、
「ちょっと待った!」とも、もちろん思ってる。

たくさんの自然エネルギー技術や、電力システムが、
世界には(そしてこの日本にも)存在しているのだということ、
こんなにも具体的にわかりやすく教えてくれた人は、他にいなかったからだ。
(単に私が知ろうとしなかった、という恥ずかしい事実が、おおいにあるにしても)

優さんは、シュプレヒコールではなく、
「原発のほかに、こんな道だってある」という言葉で語ってくれた。

私は、せっかく開きかけたあたらしい扉を、
簡単にパタン、と閉じてしまいたくないと思ってる。
なかなか自然エネルギーへの予算が確保されないにもかかわらず、
日本のメーカーや大学の研究者さんが、
未来にむかってこつこつと歩みを進めている事実にも、胸打たれている私がいる。

今回のことで思ったのは、
自然エネルギーは、まだ入口の段階にあるのだということ。
(それは、脱原発の進んでいるヨーロッパでもそうなのかもしれない)
そしてとりわけ日本は、
いまだに入り口に立とうとすることさえ、ためらっているように見える。

だけど、前にも書いたように、
安全な原発をつくる未来と、実用可能な自然エネルギーをつくる未来と、
どちらが現実的なんだろうと、やっぱり私は問いたい。

これまで通りやっていくのが、そりゃ一番楽だ。
だけど、今回の一連の事故を見なかったふりするなんて、
私には到底できそうにない。
古い場所から新しい場所へと踏み出してゆくとき、
いつもそこには、痛みも迷いもたずさえてゆかなきゃいけないけれど、
それでも踏み出さなきゃいけない現実に、
今、私はぶちあたっている。

エネルギーの問題というのは、
おそらく一人ひとりの「信念」に依る部分が大きいのだろう。
だからこそ、これまでの長い歴史の中で、
「原発推進派」と「脱原発派」は、
相容れない場所から、それぞれの「正しさ」を主張し続けてきた。

だけど、共有している部分だって、絶対にあるはずなんだ。
それは「よりよい国」をつくりたいということ。
ただこれまでは、それぞれがそれぞれに違う「よりよい」を
――経済的豊かさであったり、安全な暮らしであったり――
求めていただけだ。

世界の中の、日本に住む私たちにとっての「よりよい」ってなに?
そこから始めなきゃいけないね。
それは「エネルギー」問題のもっと下の方に横たわっている、
「人としての生き方」の選択だ。
(そしてその選択は、世界の中でも意味をもつかもしれない)

そんな大それた選択に立ち会っているのなら、なおのこと、
0か100かじゃない、地面に立った話をしよう。
経済至上主義100%とも、希望論100%とも違う、
新しい話をしよう。

このことをblogに書くことで、
田中優さんのお話がまるごと否定されちゃったらいやだな、と
ちらっと思った。
だけど、私の流した情報が間違っていたとき、
ごまかしたり、なかったことにするのは、もっといやだ、って思った。

今回の震災以降、東電や保安院の会見で、
後から考えると間違った情報があったように思う。
都合の悪いことは、聞かれるまで答えなかったりもしていた。
信頼というのは、ささいなほころびひとつで、
簡単に消えてしまう。

だから、私はそれと同じことしちゃ、だめなんだ。
たとえ、これまで原発を推進する側が、
都合のいい部分だけを切り取って私たちに提示してきたのだとしても、
違う立場だからっていって、それと同じことしちゃ、だめなんだ。

特に、「自然エネルギー」っていう、
これまで真剣に議論されてこなかった(避けられてきた)大きな話を、
(私のように)積極的に興味をもてなかった人に聞いてもらおうと思ったら、
まず信頼をもってもらうことが、はじめの一歩なんだと思う。

今私たちがどこに立っているのか、
これから歩む先に、いったい何が可能なのか。
それを誠実にひもといてゆく姿勢からしか、ともに考える道は生まれない。
私は、そう信じてる。

そして、それを信じて、
これからも田中優さんのお話に、耳をそばだてていきたい、って思ってる。

4月7日と8日は、石川県の金沢に田中優さんが。
お近くの方、ぜひ。
その他の地域でも、いっぱい講演会、あります。
詳細は田中優さんのblogまで。

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『日本版グリーン革命で経済・雇用を立て直す』(洋泉社/2009年)という本を、
読もうかなと思っているところ。

飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所長)
筒井信隆さん(民主党/農林水産大臣)
吉田文和さん(北海道大学公共政策大学院教授)
田中優さん(未来バンク理事長)

様々な立場を持つ4人の方の共著ということで、
それぞれの視点から、自然エネルギー産業への、
世界/日本の取り組みの違いが読めるんじゃないかな、って期待中なのです。

日経ビジネスオンラインでの書評はこちら

* 日経BP会員じゃないと、半分しか読めないみたいです。 

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