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2013年7月 4日 (木)

「大丈夫。ーー小児科医・細谷亮太の言葉」

Photo_5 川越紅茶の13年にあわせて、映画上映実行委員会をたちあげ、1年4ヶ月の時間をかけて準備してきた「大丈夫。」の映画会が、6月22日に川越で。

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映画がはじまって、最初に聴こえてきたのは、細谷先生の「私は、悲しい時に泣けなくなったら医者をやめるべきだと思っています」という言葉。
以前、先生が金沢にお話に見えた時にも、たしかそう言ってらしたのを思いだす。

40年来、小児がんの子どもたちを診てきた細谷先生。
今では7、8割の子どもたちが治る病気になった。けれども、それでも、見送らねばならない子どもたちがいる、ということ。

夏、子どもたちと一緒に行く北海道のキャンプ。このキャンプがもう15年続いている。
病気のことを告知された時のきもちを、語る子ども。
将来、なんになりたい?と訊かれて、応える子ども。

最初の10年のキャンプを映画にした「風のかたち」。
それもふくめ姉妹編としてつくられた、15年のエッセンスがつまった映画「大丈夫。」

キャンプ以外に、
聖路加病院の診察室で、細谷先生が子どもにお話してる場面。
細谷先生が山形のご実家の医院で診察してる場面。
先生の自然な声、語り口、そして何度も口にする「大丈夫。」の言葉。

場面が暗転して、映し出される、その折々の細谷先生の俳句。それも先生の、やわらかな筆の字で。

「がんの子の おはなし会に 鬼やんま」
「生キ死二の はなしを子らに 油照」(夏のじりじり暑い日のキャンプ場で)
「みとること なりはひとして 冬の虹」
「悲しきときのみ 詩をたまふ神 雁渡」

あんまりにもつらくて、悲しいことが続くとやめちゃおっか、って思いたくなる時、先生にだってある。けど、でもそれではもうしわけない、なんとか続けて行こうと思う時に、俳句が生まれてくる、それが先生の生きてく知恵のひとつでもあるらしい。

入院してる子どもたちと、いつもいいこと探しをしてる先生。
吐き気がなくてごはんたべれてよかったね。
昨日より緑がきれいでよかったね。
今日お母さんがきてくれてよかったね。
点滴一回ではいってよかったね。

ちいさなよかったを、この先生も一生懸命探すのかあ、
いいことさがしをしてると、きもちが少しずつ元気になってくる、って言ってらした。
ああ、おんなじ、おんなじだなあ、ってその場面、すごくうれしかった。

15年が凝縮された、どの場面のどの言葉も、何気ないようでいて、ひとつひとつ、なんでこんなに心にしみるんだろ、響くんだろ、、って思いながら見ていた。

「いのちを考えるときに、亡くなった人のことをベースにして考えると、本当によくわかりますよね」っていう言葉を聴いたときに、あ、って思った。

僕のこと、忘れないでね。いつも私のこと思いだしてね。
もういなくなってしまった子どもたちから、いつもそういうメッセージを確かに受けとるようになってきてからは、もう医者をやめよう、って思わなくなった、という細谷先生。

あの子たちを忘れない、ってことが僕のしごと、そして、そうすることで、僕自身も生かされている、というきもち。

「大丈夫。」は、お祈りの言葉。

映画の最後にその言葉がでてきた。映画をみてる間中、そう感じてたからなお、響いた。伊勢真一監督の編集も、ほんとにすばらしいドキュメンタリー映画だった。

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130622_ 映画のあとは、細谷先生と伊勢監督がステージにあがって、お二人のトーク。
ステージには、えぞざくらをイメージして川越紅茶仲間が染めて縫ったという、こんな美しい布がかけられ。

トークのあとは会場を移して、紅茶ならではの持ちより一品,大バイキング。先生も監督もお皿を手においしいごちそうをとりわけていく。

その後はまたお二人に、紅茶のジュンコさんとQちゃんがインタビューしてのトーク再開。

先生と監督は、「大丈夫。」の映画のあとの二人三脚のトークを、もう150回もされてるという。
すかさずQちゃんが、「そんなにしてきて、いやになりません?」って訊く。(こんな訊き方するところがまさにQちゃんだ)

先生の、笑いながらのお返事がなんとも!
「いやになりませんねえ。それは、みなさんが紅茶の時間にいらっしゃるように、僕にとっての、a kind of pleasureで」

かけあいトークを聴きながら、ああ、お医者さんが臨床の現場以外の場を持ってる、っていうこともまた、とても大切なんだ、ここでも子どもたちのことを伝えながら、先生自身、そのしごとに、助けられたり、支えられたりしてるのかもしれない、って思った。

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川越紅茶の仲間たちの、息のあったチームワークが、なんともすてきで贅沢な時間をそこにつくりだしてた。若い実行委員長のみっちゃんも、だいちゃんも、ジュンコさんたちも、よくやったねえ、みんなみんな。

そのおかげで、紅茶長女?の私と、次女紅茶の京都のかつこさん、三女の川越紅茶のジュンコさん、4女紅茶の、川口ちいさいおうちの美知子さん、紅茶4姉妹が一堂に会す、といううれしい場面も、つくれたよ。ほんとにほんとにありがとう。

その場にマイとパートナーのせいちゃんも朝からいられたこともまた、この日のうれしかったいいこと。
美知子さんは二人を見ながら、「もううれしくってうれしくって。二人はまるできょうだいみたいだねえ、おんなじ空気だねえ」って何度も言っていた。


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