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2014年5月23日 (金)

藤田祐幸さんの、「今日のように明日もあれ」

「ライオンさん」と親しみこめてお呼びしている藤田ゆうこうさんは、もと慶応大学の先生、そしてチェルノブイリ後からずっと、私の原発の先生。

今は長崎に住む藤田さんに、福岡賢正さんがロングロングインタビューした記事は、毎日新聞西部本社版に一年間連載され、それが今、一冊の本になりました。

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「「修羅」から「地人」へ 物理学者・藤田祐幸の選択」(南方新社)

ちょうど上野に行く前の日にライオンさんからご本が届き、金沢に戻るまでの間に一気に読みました。

藤田さん自身の言葉+福岡さんというすぐれた記者さんのもう一つの目が加わって、より厚みと説得力のある文章となり、何より、読みやすい!すっごくいい本!

日本の原子力行政のみちすじ(あまりにずさんで、姑息で、そして無責任な)が、藤田さんの生きて来た道とだぶりながら、ものすごくはっきりと、みえてきます。

この記者さんもライオンさんに出会って、どんなにうれしかったろうなあ!!

出逢いのきっかけは、3.11の日の夜に「すでにメルトダウンが始まっているのでは」とテレビの全国放送でコメントした物理学者が九州にいるらしい、と聞きつけた福岡さんが、藤田さんに会いに行ったことから。

福島原発事故からはじまり、核と原発、チェルノブイリ、原発ヒバク労働、劣化ウラン弾、それにつづく最後の章は、「宮沢賢治を生きる」と題して、三浦海岸の干潟へと続く森を守った、藤田さんの「ポラーノ村」の物語。

修羅から地人へと、長崎に移り住み、今はそこ、雪浦の地で、地域の人たちとあらたなポラーノの村をつくろうとしている藤田さん。

終わりのページに、こうありました。
         ↓
藤田さんは放射能汚染の現場を訪ね歩くうち、本当に大切なのは進歩でも発展でも成長でもないと痛感したという。
「昨日のように今日があり、今日のように明日がある。それがずっと続いて行くことこそがかけがえのないことであり、平和の本当の意味なんです」

このこと、2011年の6月、藤田さんが紅茶にお話に来てくださった時にも言ってらした。
ずっと原発とむきあってきた藤田さんの、たどりついた哲学だ、と思いました。

今、本で読むと、あの時よりもっとリアルに、まさにすとんと腹におちる言葉でした、今の安倍政権下の日本の状況が、ますますそう思わせてるのかもしれない。

多くの方によんでいただきたく、南方新社さんからまとめて送ってもらいました。
南方さんは、亀山ののこさんの写真集「100人の母たち」や、正木高志さんの「木を植えましょう」も出している出版社さんで、それもなおうれしい。

紅茶本屋でおわけできます。1500円。

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