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2016年12月17日 (土)

藤平育子さんをお迎えしての草かふぇすぺしゃる

110227_ 14日のちょぴっとスペシャル草カフェ。
ちょぴっとどころか、とても濃く中身の充実した、まるで大学のゼミみたいな時間をゲストの藤平育子さんと集まった人たちとで過ごしました。

藤平さんがはじめて松井監督にあったのは今年7月、東京のある町での上映会。
初対面で何か互いに惹かれるものを感じたらしい二人。

この日の草かふぇのお話で、字幕つけて、って言い出したのは松井さんとばかり、私は思ってたんだけど、実は実は7月中旬に、差し出がましい、厚かましいかな、と思いつつも、「私でよろしければ」って自ら志願したのは、藤平さんの方だったんですって。

藤平さんがあらためてそこの経緯、くわしく教えてくださいました。

「イチかバチか、私を信用してみようと思われた、松井さんのほうに勇気がありました」ですって!
でもね、その藤平さんもまさか突然こう言われるとは思ってなかったよ。
「実は8月の終わりにデュッセルドルフで上映会があるのだけれど、間に合うかな?今のところ、観客は日本人だけなんだけど・・・」

ひえ〜〜〜、松井さんも無茶言うなあ!

「とてもダメ」というのがその時の藤平さんの本音だったけど、この映画を海外でみてもらいたい、って情熱をもともともってらした方だけに、この夏、すんごく集中して英訳!
8月半ばに英訳原稿ができあがり、画面に入力、修正、などなどのハードな作業をへて、DVD完成8月27日、松井さん藤平さん、28日デュッセルドルフへ出発、というなんとも奇跡的な綱渡り。

でもでも、そのおかげで映画上映会は145席がほぼ満席で、ドイツ人の方が半分近くいらしたという。
上映会当日は、その会場で松井さんと松井さんの息子さんと藤平さんの3人で受付をしてた、というから、人生ほんとに何が起こるかわからない。

藤平さんは、字幕をつけさせてくださった松井さんに感謝、っていってらっしゃるけど、これで英語圏の人になら誰でも見てもらえる作品になったのですから、私こそ、藤平さんに、ありがとう!です。

外国での上映会もこれからあるといいなあ。
早速、あさって!!20日には横浜のフェリスで、松井監督も参加してのリニューアル版「不思議なクニの憲法」字幕付きデビューの上映会があるそうです。

『不思議なクニの憲法』英語字幕つき上映会
 フェリス女子大緑園都市キャンパス2号館2404教室
 12月20日(火)16:30~19:40 (上映開始17時)
入場無料
 松井久子監督がご来場になります。
 海外からのお知り合いもお誘いくださいませ。

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藤平さんと憲法のかかわりはどこから?

教員免許をとるには日本国憲法が必須科目。とはいえ、その時はまださほど。けれども実際に大学で教えることになって辞令を受け取った時、この憲法を遵守し、って書かれた書面に、サインして判こを押す場面が何度もあって、その度に、自分が憲法を守らなければならない側なんだ、ってとても厳粛に、憲法の重みを感じたそうです。

(99条に、天皇も国務大臣も国会議員も裁判官も公務員も、この憲法を尊重して擁護する義務を負う、って書いてあるものね。国公立の学校で教える人はこの中にはいるし、もちろん、総理大臣はもっとも守んなきゃいけない人なんだけどね)

英訳にかかわって、言葉は歴史と文化とつながってる、とあらためて感じた藤平さん。日本語でいう「護憲派」にあたる英語は、存在しない。っていうか、そもそもその発想が、ロジックが、ない、ということにも気づかされたと。

世界の憲法を見ると、何回も修正したり、変えたりしている。それは人々の側から、もっと私たちに自由をください、女性にも権利をください、というふうに、ここが良くないから、足りないから、変えてほしい、と民衆から発案して変えてきた、そういう歴史があってのこと。

70年もずっと憲法をかえないできてるのは、たしかに日本くらいなものだけど、だからって変えようっていうのは本質と違う。
日本の場合の改憲論議は、人々の側からじゃない。国の側から変えようと言い出し、しかも人々の自由を小さくする方向で、今あるものから良くない方向に、変えようとしているのです。

そうさせまいとする人たちのことを日本語で、護憲、と表現するのだけど、それじゃ英語圏の人には伝わらない。そこで、defenders=せき止めようとする人々、という訳にしたのだそうです。

藤平さんのご専門は、アメリカの南部の文学。それは奴隷制とも、人権がまったくなかった黒人への差別といった、負の歴史とも重なっている。
深く研究してこられたフォークナー(1949年にノーベル文学賞)の作品のお話もしてくださって、ほんとに私たち、中央大学文学部藤平ゼミの学生になった気分でしたよ!

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