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2018年8月10日 (金)

紅茶&草かふぇスペシャル 仲正先生のおはなし

8日の紅茶&草かふぇスペシャル。
金大の仲正昌樹先生がきてくださって、ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」の読み解き。ヒットラーがどうしてうまれたか、全体主義と独裁の違いとは、などなど。普段は寡黙らしい?仲正先生だけど、専門分野のお話をいっぱい、生き生きと語ってくださいました。集まった21人でナカマサセンセイ特別授業をうけた気分。

*******その日の「授業」から。

ヒットラーは、もとから政治家になろうとしてたんじゃない、はじめは美術家をめざしたがうまくいかず。ウイーン生まれだけど、オーストリアが自分を拒絶してる、と感じてた。
第一次大戦時にドイツ軍人となり、ある日ミュンヘンの街で、ナショナリズム&反ユダヤ主義の活動してる人たちを見かける。そのグループで広報やってみたら、自分の心にもないことでも宣伝するとうまくいくことを知る。反ユダヤ的な演説で人々の気持ちがまとまること、そして自分の弁には人を惹きつける力がある、と気づいていったヒットラー。こういうのが自分に向いてる、と。
彼に勢いがでてくるとそれに乗っかり始める人たちもあらわれて、やがて圧倒的な勢力に。大きな権力を一度与えてしまったら、もう引き返せない。独裁主義との違いは、全体主義は大衆が支持してるということだ。

批判のターゲットを一人にしぼって批判するのは簡単なこと。自分が抑圧される側に立ってる気分になるから。
あの時代と今を、安易に重ね合わせちゃいけない。アベさんを全部の悪の象徴にしてもいけない。なぜなら、彼じゃない人、彼を倒してくれるヒーローを求めてしまう、それは誰かに頼る、ってことだ。
アベさんの悪口言ってる自分は、全体守護から距離とってると思いがちだが。普通の人が、自分は違うと思いつつ、自らのうちに全体主義を持ってることに自覚的であれ。自分の方が正しいという証拠を集め始めると、反対側のことがわからなくなるものだ。

アイヒマンがアルゼンチンで捕まった時、彼こそが、ホロコーストの全体を把握していた実務責任者だ、と。その彼を悪魔にしたてあげたい人たちがもちろんいたが、実は彼もまた、巨大な歯車の一つにすぎなかった。実に官僚的なメンチリティだった。だから、あれだけの大虐殺を淡々と仕事としてやっていけたのだ。

全体主義はメディアの発達と関係がある。
ヒットラーは映画を実にうまく使った。彼の演説に感動してる群衆を撮って見せれば、それがすべての全体に見えてしまう。
インターネットでは、自分の見たものがすべて。自分の見たい、聞きたいものだけを選んでいると自覚すること。メディアが見せる、ひどい場面だけで全部わかった気になってある人を批判する、というのでは、すでに全体主義の免疫はないってことだ。少しでも自分で調べる努力をしなければ。

アーレントの映画ができた時、多くの人がアーレントの勇気に感動した、正義の味方だ、と単純に共感した人が多かったが、本当に「考えて」共感していたのだろうか。

全体主義におちいらないためには、反対意見を聞く習慣をつけること。自分から、反論できる意見を見つけにいかないといけない。我慢
して耳に痛い話を聞く、自分が間違っていると認めざるを得ない意見を聞くこと。そういうことの積み重ねが人間の文明を育ててきた。
アーレントのすごいところは、自分のきらいな体制、意見が、どのようにして生まれてきたのをか、細かい枝葉の部分までたどって探って、考えていったところだ。

******

といったお話でした。私の耳にも痛いとこ、多々あり。
来週の草かふぇでは、おとといのお話のふりかえりをいたしましょう。参加できなかった人にもおすそわけするつもりで。お話そのものと、聞いて自分がどう感じたかの二本立てです。

8日は奇跡的にそう暑くなくて30度以下、ほんとにほっとした。35度くらいだとエアコンのない我が家では、参加したみなさんの生存権にかかわる事態!も起きてたかも、って思うから。

188_2 写真は玄関で自前アートしてるアケビのつるです。

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