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2018年10月 8日 (月)

ぼくが ここに

生きるのがつらいなあ、苦しいなあ、と感じてるような時って、自分の存在が、かっこたるもののようにはとっても思えなくて、ふっと消えたいような、その存在を消してしまいたいような、そんな気持ちになることも、あるかもしれない。

私にその話をきかせてくれた若い人が、ここに描いたようなきもちそのままだったかはわからない。でも、少なくてもそれに似た気持ちだったころのその人が、障がいのある子たちのいる施設にはじめて行った時、一人の子が、たぶん彼を職員の誰かさんと勘違いしたかで、いきなり彼のことをぎゅうって抱きしめた。初対面の子の突然のハグのなかで、彼はその瞬間、いま確かにここに自分の存在がある、って感じたんだそうだ。

彼の話を聞いた時にとっさに思い出していたこの詩。
彼にその日見せるのを忘れたので、ここに書き写します。

「ぼくが ここに」

ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない

もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない

ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに
いるときにも

その「いること」こそが
なににも まして 
すばらしいこと として

書いたひとは、まど・みちおさんです。

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