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2018年12月31日 (月)

水島朝穂さんの今週の「直言」

水島朝穂さんが毎週更新している「直言」。

毎回、気合をいれないと読みきれないくらい中身が濃いのだけども、2018年最後の更新の今週は特に気合を入れて読む。今の政権の6年をふりかえる意味でも。

全部読みきれないかたは、せめてこれだけでも。
****(前略)
安倍政権6年の特徴の第4は、国会の機能不全をもたらしたことである。これは第183回国会(常会・2013年1月28日∼6月26日)から第197国会(臨時会・2018年10月24日∼12月10日)まで、この国の「国会史上における汚点」として記憶されるべき異様な事態である。安保関連11法案や働き方改革関連8法案など、内閣提出の重要法案のほとんどが「一括処理」され、国会審議軽視の乱暴な手法が頻繁にとられた(「「国会劣化」こそ最大の国難」『選択』2018年3月号56 –57頁)。実質的な移民につながる入管法改正案が衆参合わせて審議時間わずか38時間というのも驚きである。国会「議事」堂ではなくは国会「表決」堂であるという尾崎行雄の批判が激しくあてはまる。

安倍首相の答弁姿勢と言語能力のひどさは閣僚にも伝播し、閣僚の答弁姿勢の劣化は、国会史上に例をみない惨憺たるものである。安倍政権6年を象徴するダブルスピーク(二重言語)が、「寄り添う」の多用といえよう。すでに多くの国民が忘れてしまっているが、露骨な憲法無視の例が、憲法53条による臨時国会召集義務の黙殺である。かつての自民党はそこにはない。国会はもはや安倍首相に過剰忖度する審議しか行わない。だから、繰り返し「私は立法府の長」と「失言」を続けるのである。この国の民主主義はすでに壊死の段階に入っているのではないか。国民がそれに気づかないで慣れてしまっていることが危機的である。

******(中略)

「安倍的なるもの」に取り込まれないのはどういう人か。講演などで市民に対して、「安倍的なるもの」にだまされない秘訣を伝授するとして話していることを下記に掲げておく。

(1) 紙の新聞をよく読んで、ネット情報もチェックして、物事を比較しながら、関連づけて考えることのできる人。
(2) 「この道しかない」「唯一の選択肢」「私だけ」といったわかりやすい言い方に対して、「ちょっと待って」と立ち止まって迷う人。
(3) 「日本だけがすばらしい」「中韓は嫌い」といった、「友と敵」があまりにもはっきりした主張に安易にのらない人。
少なくとも上記の3点を守っていれば、「安倍的なるもの」とは距離をとることが可能である。そして、何よりも、有権者としての「1票」が決定的に重要である。安倍政権6年間の栄養は、半ば恒常化した低投票率である。「二人に一人しか投票しない「民主主義国家」」が定着したのが安倍政権の6年だった。史上最低の投票率を更新しつつ、日本はどこへ行くのか。「二人に一人しか投票しない「民主主義国家」」からの離陸が求められている。

*****

「安倍政権を支持しているわけではない。他に代わりがいないから。」 こういう消極的支持者が安倍政権を支えている。そんなひとへ向けて、「ほんとに代わりはいないの?」、「もう、さすがに新しく変わる必要はないの?」、「誰かを支持していなくても、今を変えたいなら、投票に行かなくては?」と問うてみてはどうか。少なくない学生たちはいま、「憲法なんてどうでもいい(必修単位取得を除けば)」、「憲法より内定だ」という考えなのか。就職率の改善は現政権ではなく団塊世代退職によるところが大きいし、それでも就職活動が時期変更も含めて厳しいのは政治の影響ではないのか。内定までは分からない就職後の過労死など、ブラック労働は政治の影響ではないのか。憲法上の権利とかかわることではないのか。「自由と立憲主義からの逃走」がもたらすものは何かを真剣に考える必要があるだろう。

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