2018年12月16日 (日)

映画「ほたるの川のまもりびと」

「ほたるの川のまもりびと」。
金沢での上映最終日にやっとみて来ました。

長崎県川原(こうばる)地区の13世帯の人々が、1962年にダム建設の話でてからもう50年余りも、石木ダムの建設に対して、ノー、の意思を示し続けてる。「水の底より 今の故郷」「ダム建設絶対反対」などの看板が目にはいる。建設の必要のないダムだという。

一家族一家族、家族写真のように全員そろって、一人一人が名前をだして、顔をみせて。

「なんでこんなことばせんなんて。ごくふつうの生活続けたいだけなのに」と言いつつ、ゲート前ですわりこみをする。バリケードを張る。座り込みしながら、干し柿作りもする。重機の下にからだもぐりこませて阻止したこともある。

ほーちゃんは、「こうばる通信」を出し続ける。バリケードなんかはってるとこだけ見たら、反対してる人たちは怖い人たちだと思われちゃう。それは向こうの思うつぼ、だからこんな手書きの通信だしてる。自分の目標は、みんなの目標、ダムをとめる、ってこと。
ほーちゃんは地区のひとびと60人の似顔絵を、一人一人のお許しをえて、通信に載せる。

なんてきれいな川、ゆたかな自然、ひとびとのむすびつき、連帯と協同、信頼。ともに生きるということ、たすけあって暮らすということ。

最後のシーンでは、全員でこの歌を合唱。

♪ここはこうばる
 ほたるの里
 自然を守るひとが住む
 ここはこうばる
 ほたるの里
 ふるさと愛するひとが住む

歌声にあったかい涙がながれたよ。
こうばるのひとたちは50年もあきらめてないでノーを言い続けてきたんだ。この信念、ほかのところで頑張っている人たちをも勇気づけてる、って思った。静かでちから強い、いい映画でした。
鎌ちゃんの、ぶんぶんフィルムの配給です。
予告編をどうぞ。

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2018年10月23日 (火)

「太陽の塔」

「太陽の塔」というドキュメンタリー映画をみてきました。
進歩と調和、という70年万博テーマに反発して、人間は進歩なんてしてない、調和だってしてないじゃないか、
と、万博という場所に太陽の塔をうちたてた岡本太郎。

太陽の塔には、過去現在未来がある。ってことは、彼のメッセージは今の私たちが受け取るべきもの。

岡本太郎は縄文にひかれ、東北にひかれ、鹿踊りにひかれ、
アイヌにも沖縄にもひかれ、、。

岡本太郎の中には、しっかりと核が、原爆が、あったのだ。
太陽の塔の裏の顔は、核だった。それは人間のつくりだした太陽だ。
彼は3、11を経験していないけども、この映画はもちろん、それも問うている。

社会学のような、哲学の授業のような、芸術論のような。さまざまな人の言葉でかたられる岡本太郎。
鈴木大拙も、南方熊楠も登場してびっくり。

監督は、映像ディレクターで数々の広告もつくってきた、関根光才さん。

観れるのは森本の金沢イオンで、朝の9:20〜
今日は私の貸切映画館だった。
今週木曜までは確実に上映しています。

これ、予告編。

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2018年5月21日 (月)

沖縄スパイ戦史のこと

3月の「標的の島 風かたか」内灘上映会のとき、監督の三上智恵さんが話していらした次の作品が完成したそうです。
タイトルは、『沖縄スパイ戦史』。三上智恵さんと、大矢英代さんの 共同監督作品。
三上さんは、過去のことでなく、明日をかえるために、今、このことを知ってほしいと。

沖縄戦で、これまで語られたことのない闇の部分。
ゲリラ兵に仕立てられた、当時、少年だった人たちの証言。特別な教育をされて、住民の中にもぐりこませられる。
「標的の島」でもふれられていた、マラリア地獄のことも。
7月28日から東中野ポレポレを皮切りに、全国での劇場公開がはじまりますって。

試写会でいち早くこの映画を見た鈴木耕さんが、マガ9に書いてらっしゃいます。
目をそむけないで、私もきっと見ようと思う。

http://maga9.jp/180516-6/

なお、この映画をめぐる「トーク・ライブ」もあるそうです。
6月3日(日)12時~16時 三上智恵・大矢英代両監督のほか、井筒高雄さんのお話もある。進行役は鈴木耕さん。@東京・渋谷の「LOFT9 Shibuya」。

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2018年1月28日 (日)

「否定」という名の映画

きのう、映画「否定と肯定」(原題は、「否定」)を観てきました。もっと早く見たかったけど雪にはばまれて、やっと見れた。

見始めるなりデジャブ感がいっぱい!2000年からの物語なんだけど、なんとなんと今に通じる、今これとおなじことが起きてる!と感じさせる映画だろう!
ホロコーストを否定する人なんているはずない、って思ったら大違いの、今の世界なんだってことを突きつけられる。

名誉毀損でうったえられた歴史学者のリップシュタット教授は、イギリスでの裁判のやりかたにまずびっくりする。弁護士から、訴えられた被告に立証責任があると知らされる。そのうえ、訴えられた彼女自身は法廷で一回も自分で証言できない。ホロコーストの生存者にも証言をさせない。そんな弁護手法におおいに反発するものの、それがこの裁判に勝つために必要なことだったとおしまいのほうでやっと合点がいってくる。

見ている私もリップシュタットと同じ憤りを感じてたから、最後の方で、なるほど、そういうことだったのか。それは、どうあってもホロコースト否定論者のアービングに、この裁判で負けられないからこその、弁護側の闘い方だったんだ。

題材はホロコーストだけど、これは南京にも、「慰安婦」問題にも、沖縄のことにも、みんな通じてる。声の大きい有名人が、権力を持つ人が、メディアが、何度もなんども、あるものをない、と言い続ければ、世間はそれをないものと受け取ってしまう危険性を、いつだってはらんでるんだ。

沖縄の大学でメディアリテラシーを教えている具志堅さんが、学生から、先生は嘘をいってると言われた、と紅茶のお話会で語ってくださったけど、その話がまさにこの映画の冒頭シーンと重なる。

作家のH氏は、基地に反対しているのは中国の工作員だ、と沖縄の講演会で語り、沖縄の記者を名指しで何度も批判していた。その講演会に集まった人たちには、そっちの話の方が真実なんだろか。
ヒットラーを信奉し、ホロコーストを否定する歴史学者アービングが、映画の途中から、H氏に見えてきてしかたなかったよ(いえ、顔のおつくりは全然にてないけどね)。

今から10年以上前の裁判を再現したこの映画、法廷で争われていた時はまだ、ポストトルースとかフェイクニュースって単語は聞かれなかった。この言葉が当たり前化してる今だからこそ、見れてよかった!
あったことをなかったことにはできない、んだ。

今週金曜日まで、2:55〜@シネモンド。

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2017年10月30日 (月)

その名は、カメジロー

♪それはむかしむかしむかし、、
 えらいえらい人がいた
 島のため 人のため尽くした
 教えてよ カメジロー

 あなたならどうする
 教えてよ カメジロー

沖縄のネーネーズが歌うこの歌は、米軍が最も恐れた男、とされた瀬長亀次郎のことを歌ったもの。彼の一生を追ったドキュメンタリーを見ました。

島の人たちがくちぐちに言う、カメジローのこと。

一番偉いひとでした。大好きでした。
抵抗の戦士。命をすてている。
追っかけが楽しかった。
カメさんの演説が好きだった。
神様みたいだね〜〜。
沖縄を団結させた人。
祖国復帰に向けて尽力した人。
元知事の稲嶺さんも、少年のころ、ムシロもって演説聞きに行った一人。アメリカをやっつけてくれる、憧れの人だった、と。

大平洋戦争で、日本の捨て石にされた沖縄。敗戦して戦争はおわったけれど、地獄は続いた。沖縄の軍事占領と日本の非軍事化は、表裏一体だった。

琉球政府としてアメリカに忠誠を誓わされた時、ただ一人椅子にすわったまま抵抗し、宣誓を拒否したのが、カメジロー。アメリカににらまれた。
獄中に一年。出獄した時、民衆は歓喜をもって彼を迎えた。看守すら笑顔だった。

米兵による暴行で少女が亡くなった。
「6つになる女の子が強姦され、殺され、くちびる噛んで草にぎりしめて死んだ。腹の底からの怒りである」と日記に書いたカメジロー。
団結を固めよう、一切の利己を捨てよ。
(カメジローのこの呼びかけが、のちのオール沖縄へとつながっていく)

カメジローは那覇市長に。那覇への補助金が凍結され、兵糧攻めにあいそうになるが、市民は「アメリカーが市長をいじめるから、税金おさめにきました」と、納税するために長蛇の列をつくった。

分断工作もあり、反対派が瀬長市長に不信任を出し、可決される。カメジローは選挙にでれなくなったが、市議選ではカメジロー派が躍進した。
カメジローは、我々はガジュマルの木だ、木陰に相手を休ませよう。目の前にいる人たちが敵ではない。こんな風にさせてるアメリカが悪い。なんで同じ沖縄同士でたたかうか、と言った。

1970年、カメジローは沖縄初の国会議員となり、国会で佐藤栄作首相に向かって「この沖縄の大地は、ふたたび戦場になることを拒否する!」と。

カメジローの抵抗は民衆の意識をかえ、沖縄の誇りを育て、それは島ぐるみ闘争へと発展していった。

カメジローは、沖縄県民の闘いを不屈と呼び、この言葉が好きだという。沖縄の人は、カメジローを不屈の人と呼ぶ。
「弾圧は抵抗を呼ぶ。抵抗は友を呼ぶ」
「民衆の憎しみに包囲された基地の価値は、ゼロに等しい」
これも、民主主義を武器にして闘ったカメジローの言葉。

現知事の翁長さんもカメジローを尊敬している。
カメジローのドキュメントは、あまりにも今とつながっている。オール沖縄の根っこは、古くて、深い、、、!

ガジュマルの木。不屈。民主主義を武器にしてたたかう。
今日の、これからの、大事なキーワード。

「米軍が最も恐れた男、その名は、カメジロー」は、12月初め、シネモンドでの上映がきまっているそうです。今日、私が見たのは1時間バージョン、映画館で見るのは1時間40分。今度はシネモンドで、ロングバージョンのを見ようと思っています。

予告編はこちら。

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2017年3月19日 (日)

人生フルーツ

人生フルーツ、http://life-is-fruity.com

見て来ました@シネモンド。

英語のタイトルがとてもぴんとくる。
人生は、生きることは、フルーティ。
長く生きて、より美しくなる。みずみずしい果汁がいっぱい。

その実りは、おおきさをとうてない。
中身の質の、豊かさ。暮らしの細やかさ。
いとおしい日々の暮らし。
おふたりがその日々をいとおしんでるのがどの場面からも伝わってくる。
雑木林をわたる風のうたも一緒に。

90歳+87歳=177歳、と二人のイラストにかきいれる修一さん。
絵も字もユーモアも、すてき!

コツコツ ときをためて ゆっくり。
「コツコツやることです。ひとりでコツコツやるとどんどん見えてきますね、いろんなことがいっぱい」

90歳で、いつでも仕事にスタンバイの修一さん。
人間らしい暮らしとは何か。
彼のすばらしいお仕事が伊万里に。

コツコツゆっくり。
お二人を見習って、私もコツコツ、私の速度で、私の人生をフルーティに。

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2017年2月24日 (金)

僕らのごはんは明日で待ってる

今日、「僕らのごはんは明日で待ってる」を見てきました。明日から島根に3日間いくし、今日しか、って思って走って行ってきた。

みおわってとってもしあわせ〜〜なきもちになれる映画でした。

直球の、まぶしいくらいの女の子と、太陽みたいじゃない男の子、って最初は思いながら見てたんだけどね、途中から、あ、ちがうちがう、そんなに単純じゃないってみえてきて。
じれったい彼のこと、いっぱい応援してたな。
彼が、ケンタおじさん抱えて息を切らせて走るとこは、もう、がんばれがんばれ〜〜、ってこっちも走ってた。
米袋ジャンプもめっちゃ楽しい!

最後の最後に、おいしいごはんをはさんで、彼女の名前を知りました。
そうだよね、どう呼ぶかって、関係性だものね。
そして、どんな時も、ひとは食べなくちゃね。

婦人参政権とか、憲法とか、ひょえ?っておもわず聞き直しちゃった、そんなサプライズも楽しかったでした。

仲良しママの早苗ちゃんのお連れ合いさんが、脚本、監督。市井監督、元は髭男爵さんの一員だったとか!
ずっと前にシネモンドさんでみた、星野源さん主演の「箱入り息子の恋」がとっても好きで、あとからそれ作ったのが早苗ちゃんの夫さんだった、ってしったの。
セリフの細かいとこに、お!ってのがいくつもありました。ネタバレなるからいわないでおくね。

今日はかほくイオンでみました。3月2日までしています。
http://bokugoha.com

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2017年2月21日 (火)

「いのちのかたち」

伊勢真一さんの新作ドキュメンタリー「いのちのかたち 画家・絵本作家 いせひでこ」をシネモンドさんで見てきました。 

いせひでこさんが、宮城県の吉田浜で、3.11の津波によって根こそぎ流されて、そこに横たわっている一本のクロマツと出会うのです。クロマツに呼びとめられるのです。
そのクロマツから、私を描きなさい、と言われてる気がしたいせひでこさん。吉田浜に通って、そのクロマツをスケッチし続けます。

チェロの音色が映画の底のほうにながれてる。
長田弘さんの「最初の質問」や、長田さんが赤ちゃんの微笑みを詩にし、それを伊勢さんが絵本にしていく過程、飯舘村の子どもたちの描いた、色あざやかな花の絵。

陰があり、光もあり、木や森、空や海の息遣いを感じる映画。
静かで深い、言葉になるまえのきもち、言葉にできないきもち、を映画で表現しようとしてる、絵本のような美しい映画でした。

この日は映画のあと、伊勢さんとシネモンド代表の土肥さんのトークもあり。

終わってから、伊勢さんに、まだ言葉にならない言葉、言葉をともなわない、その前のきもち、をとても感じた映画でした、と申し上げ、4年前に川越紅茶で「だいじょうぶ」をみせていただいた、石川の紅茶の水野です、ってごあいさつしたら、伊勢さんが、そうそう、こちらが本家だそうで、って。
いえいえ、ただ、お姉さんの紅茶なだけです、って私。

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2017年2月13日 (月)

この世界の片隅に、のいろいろな想い。

丹下こうきさんが「この世界の片隅に」のこと、書いてるよ、と娘に教えてもらって、ようやくここにたどり着けました。

丹下さんのFB、1月11日のところで、書いてらっしゃいます。
https://www.facebook.com/kouki.tange?fref=nf&pnref=story

言葉にしてくださって、本当にありがとうございます、っていいたい。
言葉にするの、いつも以上にむずかしかったことだろうと思います。
また、丹下さんが書かれたことへの、読んだ人からのコメントもずらーーーっと長く長くつづいています。

読んだ人のコメントへの、丹下さんのコメントのなかにあった言葉。 

「僕の悔しさは、今、この社会の在りようを成すすべなく見過ごしてしまうことにあります。そこに怒りがあるのです。」

はい、本当に私もそう思っています。私ももやもやした思いをかかえたままにいたのです。

金沢で2回、この映画を語る会をしましたが、その時の私は進行役だったので、自分の率直な思いは語っていません。

こんど、紅茶の時間でするので、その時は、自分のきもちもそのまま出そうと思います。
(2月22日の紅茶で、2:00〜4:00)

 暮らしの手帖の花森さんが、暮らしこそ守るに足るもの、と言われたのは、決して、内向きの、じぶんとこの暮らしさえ、といった、暮らしに埋没することをいわれたのではない、むしろその逆、って思っています。

 丹下さんが勇気出してかいてくださったことの波紋が、こんなふうにひろがり、たくさんの人が、いろいろなことを考え、思い巡らし、もがきながら考え続ける、そういう場を提供してくださったことに、あらためて感謝します。


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2016年12月 5日 (月)

この世界の片隅に

「この世界の片隅に」金沢のシネモンドでは、12月17日から上映がはじまります。
もう、いまから絶対見にいく!ときめてる作品。

戦争前夜の広島と呉の町での、ひとびとの暮らし。
暮らしの中に戦争があり、戦争の中に暮らしがある。

その日常を、すずと、その家族、まわりの人々の物語。

原作は、こうの史代さん。
亡くなったおばあちゃんたちと、当時のひとたちと対話しながら、当時の暮らしもくわしく調べて、ていねいにていねいに、書いていった作品だそうです。

6年の歳月を経て、今年映画になりました。

これは、NHKおはよう日本での、作品紹介です。
こうのさんの言葉も、主人公すずの声を演じるのんさんの言葉も、監督の思いも。

https://www.youtube.com/watch?v=mEo6cmCCQco&feature=youtu.be

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